送電工事の流れ

道なき道を行き、自然と共生する送電線建設。綿密な調査に基づくルート選定と、厳しい技術基準に基づく安全設計、熟練された施工技術、品質管理などにより、安全で高品質な送電工事を実現しています。

  • 1.調査・建設準備

    送電線建設は、綿密な調査から始まります。気象条件、地形・地質情報、周辺環境への影響、保守・点検のしやすさなど、さまざまな角度から最適なルートを選び出します。次に行われるのは、鉄塔や電線などの設計です。厳しい自然条件にさらされる鉄塔や電線は、調査結果によって得られた環境状況に基づいて安全に設計されます。その後、工事用仮設備の設置や現地の状況にあった資材の運搬計画などを決定。いよいよ本格的な工事が始まります。

  • 2.基礎工事

    送電線建設は、いわゆる囲いのない工事です。自然環境との共生や、住宅などの周辺環境を考慮し、ケースにあった基礎工事が必要となるのです。鉄塔はあらゆる自然状況に耐えられる、しっかりしたものでなければなりませんから、その基礎工事技術も多様なものが開発されています。起伏の激しい山岳地に適した「深礎基礎」や、平坦ではあるが軟弱な地盤に適した「杭基礎」など、立地条件に適した方法で施工します。

  • 3.鉄塔組立工事

    基礎工事が完了すれば、次は鉄塔の組立工事です。「タワークレーン工法」は、鉄塔の中心に鉄柱を建て、先端に取り付けたブームで部材を吊り上げて組み立てるというもの。クレーンを分解して運搬できるため、主に山岳地での組み立てに適用されます。「トラッククレーン工法」は、トラックに取り付けられたクレーンを使用します。重機を搬入できる平野部での工事に適し、その機動性から工期の短縮が可能です。

  • 4.架線工事

    架線工事とは、電線を張る工事のこと。まず、行われるのは、延線工事です。3~5kmの区間を1延線区間として、ヘリコプターやドローンなどを使って、細く軽いロープや糸を張り渡します。その後、両端に設けられた電線ドラムとエンジンを使い、ロープから電線へと引き替えていくのです。延線が終了すると、電線を張る、緊線工事へと移行。電線を鉄塔間で決められた張力でがいし装置に取り付けます。

完成